研究概要

観光は,旅行者にとって初めて訪れる未知の領域での行動です.未知の土地で円滑に観光するためには,どのような観光スポットに行けば一番満足できるのか,今人気の観光スポットはどこか,混雑を避けるにはどうすればいいか,など様々な情報支援が求められます.かつては,地図やガイドブックといったアナログのメディアがその役割を果たしてきましたが、90年代に登場したWebとインターネットによる情報配信メディアのデジタル化により、eツーリズムとよばれるあたらしい観光形態が登場しました。そして,今世紀に入って,携帯端末の高度化やセンサ技術の進歩により,旅行者の状態をリアルタイムに測定できるようになる一方,データの活用手法も,従来から行われてきた観光統計などに加えて,機械学習などを用いて旅行者や観光地の状態を推定する手法が登場しています.そうした技術進歩を背景として,旅行者にリアルタイムかつパーソナルな情報支援を行うスマートツーリズムが誕生しつつあります.ルートの自動作成・推薦や移動状態の推定といった旅行者向けの技術にとどまらず,自治体や旅行管理者,更には地域社会といった観光に関与する全ての主体に対して,どのような情報を提供すべきか,という視点で研究を行います.
 当研究室で,現在,主にGPS軌跡データの解析を中心に研究を行っており,京都スマートシティ推進協議会や京都府庁,JapanTaxi,さらに東京大学空間情報研究センターなどからデータ協力を受けつつ,研究を行っています.GPSなどのセンサ情報から旅行者の状態の推定・予測を行うことで,旅行者への適切な情報を提供し,オーバーツーリズムや旅行者の防災など,社会的課題の解決に貢献していきます.

※本プロジェクトは科学研究費補助金 基盤研究(C) 「観光地の混雑回避を実現する実時間情報に基づく情報提示手法」(研究代表者:笠原秀一)の支援を受けたものです.