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固定カメラ映像を対象とした回帰と通過検出の併用による通過人数カウント

商業施設やイベント会場において,来場者数や通路の利用状況を把握することは,マーケティングや防犯の面で非常に有用である. しかし,広範囲・長時間の人手による人数カウントはコストが大きく,自動化が求められる. そこで,本研究では,既存の監視カメラのように,任意に設置された固定カメラの映像を用いて通過人数をカウントすることを目的とする.

人手による通過人数のカウントは,観測している3次元空間である実世界中に仮想的に設定したゲート(Virtual Gate: VG)を通過した人数をカウントしていると考えられる. コンピュータでも同様の考えに基づき,2次元平面である観測画像上でVGに対応する線(Line Of Interest: LOI)を考え, LOIを通過した人物領域から得られる特徴量の回帰によって人数を推定し,通過人数に加算することで通過人数をカウントする手法が提案されている. これらの手法は,回帰を用いることで,同時に複数の人物が通過しても精度よく通過人数をカウントすることができる. しかし,複数の移動経路が存在するシーンでは,実際にはVGを通過していないにもかかわらず,その人物の身体の一部がVGに対応するLOIを通過してしまい,通過人数の誤った加算が起こりうる.

そこで,本研究では,回帰を用いた人数推定と領域追跡を用いた通過検出を併用した通過人数カウントの手法を提案する. 通過検出によって実際にVGを通過した人物から得られた特徴量に対してのみ,回帰による人数推定を行って通過人数に加算することで,複数の移動経路が存在するシーンであっても誤った加算を低減して通過人数カウントの精度を向上させる.

実際の商業施設に設置された固定カメラの映像を用いて実験を行い,提案手法の有効性を確認した. また,複数の通路における通過人数カウントの結果を組み合わせた人流解析への応用について検討した.