TOP  >  学位論文  >  {sotsurontitle}

特定人物検索システム設計のためのシミュレーション

本論文では都心,郊外,村落といった地域において様々な地点でカメラが路上を撮影しており, 移動する人々が次々と異なるカメラに観測されることを想定して, 複数カメラで取得した画像中から特定人物を探し出す特定人物検索システムについてシミュレーションを行い, 実環境で特定人物検索する際に考慮すべき要因を明らかにする.

特定人物検索の処理は大きく2 つに分かれる. 観測部ではカメラ映像中から人物を検出して,顔つきや服装から特徴量を抽出してデータベースに記録する. 検索部ではユーザが検索したい特定人物の特徴量を入力すると,データベースに記録された人物の中から, 特徴量の比較と時空間制約によって特定人物と同一と思われる人物の候補を複数取得して, どの時刻にどの場所で観測されたのか出力する.

特定人物検索システムの挙動には実環境の様々な要因が関わる. 例えば,特定人物検索はシステムを設置した地域に存在する人物が多いほど困難となり, 一方でカメラ台数が多いほど容易になると予想できる. しかし,各要因がどのように特定人物検索に影響するのかわからないため, 実環境にシステムを導入する際に,どの程度の人物数に対して何台のカメラを設置すべきかといった設計指針を立てられない.

本研究では特定人物検索システムを実環境に導入する際の設計指針を得るためのシミュレータを構築する. システムを設置した地域内の人物数やカメラ台数といった検索精度に影響を及ぼすと予測される要因を, それぞれパラメータによって変化させながら特定人物検索のシミュレーション実験をすることで, 各要因と検索精度との関係性を調査する.

実環境で特定人物検索した結果と,同じ環境を想定して特定人物検索シミュレーションした結果との比較により, 構築したシミュレータの妥当性を示す. そして,シミュレーション実験によって人物密度と検索精度は反比例するといった,各要因に関する知見が得られることを示す.