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カメラペアごとの設置環境の違いに応じた特徴の重み学習による人物対応付け

本論文では,疎に設置されたカメラペアで撮影した人物画像から,複数の見 え方特徴を抽出し人物対応付けを行うために,特徴量間の距離に対し同一人物 かどうかの尤度を推定し,尤度により複数の特徴を統合する手法を提案する. 見え方特徴は,解像度,日照条件,カメラの設置向きといった撮影環境がカ メラ間で変動する場合に安定して抽出できない.どのような見え方特徴を抽出 するかによって,どのような撮影環境の変動に影響を受けるかは異なる.その ためカメラペアごとに有効に抽出できる特徴を,同一人物ペアを正事例,違う 人物を負事例とした訓練サンプルにより学習し選択する事が求められる. このとき,カメラ内でも撮影環境の変動がある可能性があり,どのような変 動があるか自明ではないため,特に正事例をあらかじめ与えておくことは難し い.そのため正事例が直接獲得できない条件下において,有効な特徴を選択す るよう重み付けした特徴の統合を行う事が求められる. 本研究では特徴量間の距離から同一人物かどうかの尤度を計算する事で複数 の特徴を異なる特徴間で比較可能な値に変換し,足し合わせる事で特徴を統合 する.尤度の計算には,ある特徴量間の距離が与えられた時に同一人物かどう かの確率がわからなければならない.そこで本研究では長期観測データから自 動で抽出できる情報を利用して,正事例と負事例それぞれの分布を推定する手 法を提案する. 長期観測データとして,カメラペアで同じ時間帯を観測した,正事例と負事 例の混ざった観測結果の距離分布と,離れた時間帯を観測した,負事例のみの 観測結果の距離分布を用いる.2 つの分布を用いて,正事例と負事例それぞれ の距離の同時分布を推定する事で尤度を推定する. この時,離れた時間帯を観測し負事例を獲得する際に,人物の撮影環境を揃 える必要がある.本研究では背景画像のクラスタリングにより参照する人物を 選別することで撮影環境を揃えた. 以上の方法により推定した尤度を用いて複数の特徴を統合した提案手法によ り,カメラペアにおける人物対応付け精度が向上する事を実験により示す.