TOP  >  Thesis/Dissertation  >  調理における切断加工時の荷重特徴を用いた食材認識

調理における切断加工時の荷重特徴を用いた食材認識

調理は日常的に行われる複雑な作業であり,調理者の状況に応じて適切な調理アドバイスを提示するシステムは有用である.調理者の状況理解には,システムがセンサ情報を基に自動的に食材を認識することが好ましい.

調理では,レシピによって複数の食材に様々な加工が施され,食材の特徴が大きく変化する.そのため,加工を施された後でこの特徴を取得したとしても,食材以外の要因による変動が大きく,食材の種類を認識するのは難しい.

食材に対する最初に施される加工は多くの場合切断である.そのため,切断が行われる時点では,元々の食材の特徴を抽出することができる.この切断加工では,まな板と包丁の接触により,まな板への荷重の変化が起こる.この荷重には,包丁がまな板を押す力と手で食材をおさえる力の2種類の力が含まれ,これらの力は,食材の物性や大きさ,形状に応じた影響を受ける.そこで本研究では,切断時の荷重特徴を用いて食材を認識する手法を提案する.

実際の調理の場面で切断から食材認識をするためには,まず荷重を測定し,その測定結果から切断検出を行ったうえで特徴を抽出する必要がある.荷重の測定のために,荷重センサを設置した荷重センサボードを開発した.切断検出については,切り終わった際にまな板にかかる前述の2種類の力が同時にかからなくなることに着目し,荷重の急激な立ち下がりを切断とみなして検出する.次に,測定された荷重波形から,検出された切断のセグメントを切り出し,そこから最大値,切断時間,力積,ピーク位置,尖度を特徴量としてそれぞれ抽出する.最後に,抽出した特徴量をSVMにかけることで食材認識を実現する.

提案手法を評価するため,家庭の料理で頻出しかつ共起する食材を16種類選び,実験を行った.この実験では,実際の調理を想定してまな板上で行われるあらゆる動作を含む観測データを取得した.提案手法を適用した結果,切断検出については適合率98.1%・再現率99.8%を達成し,食材認識については平均で67.4%の認識率を達成した.