内容梗概
[English | 論文 | 美濃研の研究 | 美濃研究室 ]


映像帯域に対する講義情報伝達度を最大化するカメラ制御


ネットワークを用いた遠隔講義では、講義映像の撮影と伝送が必要である。通常 の対面講義では、講義の受講者は講師の動作や指示、板書の記述などから学習に 必要な視覚的な情報、すなわち講義情報を直接得ることができるが、遠隔講義で は視覚的な情報は映像を通じてしか得られない。従って、講義映像の撮影と伝送 は講義情報をできるだけ保存しつつ伝達するように行なわれる必要がある。

撮影の際に制御可能なカメラの視点位置、画角、向きの組をここではカメラワー クと呼ぶ。従来の講義映像の自動撮影の研究では、状況に応じてカメラワークを 制御し、講義情報を発する被写体を中心とする構図の映像の獲得を行なってきた。 しかし、カメラ制御の際に伝送処理におけるネットワーク帯域の制限を考 慮しないため、得られた映像によっては空間解像度を大きく下げざるを得ず、講 義情報が良く伝わらなくなるという問題があった。

そこで、本研究は空間解像度も可能な限り維持するカメラ制御を行うことを目標と する。これを実現するために、あるカメラワークによって撮影される映像が構図的に良 いかを判断する構図優先度と、その映像を伝送するときの空間解像度の維持率の 積を講義情報伝達度として定義し、これを最大化するカメラワークを求めてその 通りにカメラ制御を行なう。

本研究ではカメラワークが変われば、ネットワーク帯域の制限のもとで維 持可能な空間解像度が異なることに注目した。提案手法では、各カメラワークに おいてネットワークの有効帯域の制限のもとで維持可能な空間解像度を求めるた めに、講義室の背景と講師が映像の複雑度に対して与える影響を事前の計測によっ て求め、その複雑度とネットワーク帯域から維持可能な空間解像度を求めた。

実験では、実際に講義室に設置された複数のカメラを対象として提案手法のカメ ラ制御を適用し、複数の映像帯域例に対して講義情報伝達度が最大化されている ことを確認した。


学位論文のページに戻る