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ランダムパターン背景を用いた視体積交差法のためのシルエット修復手法


視体積交差法は,複数のカメラで得られるシルエットから対象物体の形状を復元する手法である.物体表面の色変化に乏しい物体やレーザを吸収する物体など,ステレオ視やレーザレンジファインダを用いた形状復元手法の適用が困難な物体に対してもシルエットさえ得られれば形状復元が可能であり,対象に汎用な形状復元手法であるといえる.しかし,シルエット抽出を行う際に欠損が生じると,復元形状にも欠落が生じる問題がある. シルエット欠損の主な原因は物体の観測色と背景色の近さによるものである.本研究では,物体の観測色と背景色の近さが原因で起こるシルエット欠損を修復する手法を提案する.

真のシルエットに含まれる画素ができるだけ多くシルエットに含まれ,かつ,復元形状に大きな欠損を生じないようにするために,ランダムパターン背景を用いる.ランダムパターン背景とは,カメラが観測できる色の値の範囲内でランダムに選択される値を,小領域に区切られた各領域の色が持つ背景である.ランダムパターン背景を用いると,様々な拡散反射色を持つ物体に対して,すべての領域で正しくシルエットを抽出することはできないものの,ある一定の割合以上の領域で正しくシルエットを得ることが期待できる. ランダムパターン背景を用いても発生するシルエット欠損を,複数のカメラが同じ対象物体を観測していることを利用して修復する.シルエット欠損が生じていないカメラ画像より,視体積が欠損した領域の拡散反射色を推定する.推定される拡散反射色と背景色とを比較し,これらが近いときには,シルエット欠損が生じていると判定し,その領域が投影される画素をシルエットに含める. ランダムパターン背景とシルエット修復手法とを合わせて用いることにより,様々な色を持つ物体に対して欠損の少ない視体積を得ることができる.

実験により,シルエットを手動で抽出した形状との比較を行い,提案手法によりシルエット欠損が修復されることが確認された.また,多様な色を持つ物体に対して観測を行い,それぞれの物体に対して欠損の少ない復元形状が得られた.


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