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指向性マイクロホンアレイを用いた複数音源位置推定


講義室において学生が複数のグループに分かれて議論をするグループワークの記録を目的とした音源位置推定手法を提案する.各グループの議論をそれぞれ独立した映像と音声によって記録することには,各学生が自身の参加できなかったグループの議論について知ることができるようになるなど,さまざまな利点が考えられる. 本研究では,自動カメラ制御によって各グループの映像を得るとともに音声を記録することを目的として,まず音源位置の推定を行う.この目的のためには,座席位置が推定できれば十分であるため,推定粒度を座席位置として離散化し,これによって位置計測問題を探索問題に帰着させる.さらに、グループワークでは,各グループで独立した議論が行われるため,講義室内に複数の音源が発生する.そこで提案手法では,俯瞰カメラの映像を利用して学生が着席している座席のみを抽出することで探索空間を狭め,複数音源の位置推定を可能とした.また、グループワークを含め一般に議論の場では発言をする学生が頻繁に変化するため,位置推定に多く用いられてきた音声信号間の相関を用いることは難しい.そこで本研究では,このような状況に頑健な特徴量として音圧を用いる.

グループワークの記録では音声が重要な役割を果たすので,その品質はできるだけ均しいことが望まれる.そこで,マイクロホンから学生までの距離の分散を小さくするため,天井にマイクロホンを設置する.ところが逆に,座席位置が異なってもマイクロホンから学生までの距離に有意な差がなくなるため,マイクロホンの特性によっては位置推定に用いる音圧にも有意差がみられなくなる.そこで本研究では,距離とともにマイクロホンの軸方向に対して座席位置が成す角によって有意な音圧差が得られるよう,指向性マイクロホンを用いる.

音源が存在する座席の組み合わせを考え,その位置から生じた音圧を幾何音響学に基づいて作成したモデルにより求める. 実際に観測されている値との特徴空間上の距離が, 最短となる組み合わせを音源位置推定結果とした.

本手法を実装し模擬グループワークを実験対象として手法の有効性を検証した.


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