内容梗概
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人物の重要度提示のための照明制御法


人物に照明をあてて明るくすることは、その人物が重要であることを、見ている人に知らせるために有効である。特に、コミュニケーションしている複数の人物を撮影する際、この映像を見る人のために、従来の映像と音声に加え、人物の明るさを照明制御によって変化させ、各人物の重要度を提示することは有効であると考えられる。

複数の人物が、それぞれどの程度重要であるかは、状況によって変化する。会議や講義において、議論が行われている状況では、発言している人物や議論に参加している人物の重要度は高く、議論に参加せず、聞いているだけの人物の重要度は低いと考えられる。本研究では、複数の人物に対して、各人物の重要度が与えられ、これに対応する明るさが定められていると仮定する。この仮定のもとで、移動する複数人物を撮影するとき、各人物の画像輝度が、定められた明るさになるように、複数照明の光量を制御する手法を提案する。

照明制御するためには、照明から発せられる光の特性や、各照明が人物の画像輝度に与える影響を知る必要がある。これらは、照明やカメラの性質、人物の形状、位置や反射係数、撮影環境などによって左右され、測定することが難しい。本研究では、人物の形状をしたモデル物体に照明をあてて撮影し、撮影された画像を用いてこれらを事前測定する。各人物の位置や重要度が変化するたびに、各人物の画像輝度が与えられた明るさになるような照明の光量を計算によって求め、これに基づいて照明を制御する。

本手法を実装し、歩行により移動する、あるいは座席に着席している複数人物に対して照明制御を行った。その結果、各人物の画像輝度が、与えられた明るさになるように照明制御することができた。さらに、実際の人間同士のコミュニケーションの様子を撮影し、本手法の照明制御が人物の重要度を提示することに有効であることが示された。


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