内容梗概
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ホームネットワークにおけるアプライアンスの相対位置と利用履歴を活用したサービスの提示方法


特定の目的に特化して設計された情報家電機器(アプライアンス)は単体として利用が容易である反面、機能は非常に限定されている。そこで、アプライアンスをネットワークにつなぎ、相互接続させ、それぞれが持つ限定された機能を補完し合うことによって単体ではできないサービスが提供できると考えられる。本研究では、アプライアンスとユーザの相対位置およびユーザの履歴情報といったコンテキスト情報を活用してユーザの操作を軽減する手法を提案する。

ネットワークに接続されたアプライアンスが協調することで、豊富なサービスが提供できるようになると、ユーザは、それらの膨大なサービスのリストから利用したいサービスを探し選択しなければならない。また、サービスの一部を構成することができる同種のアプライアンスが複数存在する場合には、ユーザはそれらの中から自分の意図に合った適切なものを選択しなければならない。これらの操作はユーザにとって煩雑かつ面倒である。

AMIDENでは、アドホックなネットワーク環境を前提としており、そのような環境では、アプライアンスの移動や参加・離脱が比較的頻繁に発生する。これに伴って、提供可能なサービスや、サービスを構成するアプライアンスの組み合わせが変化する。このような状況の中でユーザは自分の要求にあったサービスおよび、それを構成するアプライアンスの組み合わせを選択しなければならない。しかし、この選択操作はコンテキストに依存する傾向があると考えられるので、ユーザの履歴や位置といったコンテキスト情報を活用することによって、ユーザによる選択を支援できると考えられる。

ユーザがサービスを構成するアプライアンスを選ぶ際、優先する要素は距離だけでなく、アプライアンスがもつ機能もある。たとえば、ユーザとのインタラクションが必要なアプライアンスは、できるだけユーザに近いものが選択される傾向にあるのにたいして、変換・合成といたユーザとのインタラクションがほとんど必要ないアプライアンスは、機能を重視して選択されることになり、ユーザとの相対距離に影響しないことが多い。サービス構築の際のユーザの選択行動を履歴およびユーザとアプライアンス間の位置関係に基づいてユーザの意図を予測して選択候補を表示する際の優先度を調整することでユーザのサービス構築操作を支援することを提案する。

提案手法の有効性を検証するために、PC上にこれらの機能を実装し、無線LANによるネットワークを構築して実験を行った。その結果ユーザの利用場所によって提示されるサービスが変化することおよび利用頻度が高くユーザが期待するサービス/アプライアンスが優先的に表示されることが確認された。


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